NPO法人Smiling Hospital Japan(スマイリングホスピタルジャパン以下SHJ、東京・杉並)は、定期的に小児病棟を訪れ、紙芝居朗読劇やマジックショー、版画教室などを行っている。長期で入院をしている子どもは感染の恐れから、外部との接触が保護者のみに制限され、閉鎖的な空間で過ごしている。プロのアーティストの力で、子どもたちを笑顔にし、ストレスを取り除く。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
SHJが小児病棟への訪問を始めたのは2012年から。アーティストのネットワークを生かして、全国に活動場所を広げ、現在は神奈川県立こども医療センターや日本赤十字医療センター、淀川キリスト教病院ホスピス・子どもホスピス病院など14の病院と契約し、活動回数は年間に200を超える。
同団体の登録アーティストは60人おり、マジシャン、ピアニスト、大道芸など多彩だ。契約している病院に、隔週もしくは毎月定期的に訪れる。1つの活動につき、1人のアーティストを連れて来て、病棟のプレイルーム、病室や病床でも披露する。
SHJを立ち上げたのは、松本恵里さん。松本さんは、院内学級で7年間英語の教員をしていた。長期で入院している子どもは、感染の恐れから、親以外との接触は基本的に禁止されている。閉鎖的な空間で暮らしている子どもたちだが、月に数回来る有名人との交流や劇の鑑賞会では、楽しそうにしていた。そこで、アーティストの力で、子どもたちに笑顔になってほしいと団体を設立した。
松本さんは「小児病棟に、笑顔が当たり前にあるようにしたい」と言う。思いきり笑うことで、闘病意欲を促し、QOLの向上を目指す。
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