「2030年の日本をワクワクさせるものは?」――この質問に、パネルディスカッションで登壇したコルクの佐渡島氏は、「遊びの達人」と答えた。佐渡島氏は、童話でトム・ソーヤが罰であるペンキ塗りを楽しんでしたことで、周りの人も集まり、一瞬で終わったことを例にあげ、「みんなが楽しんで参加できる仕組みが文化をつくる」と話した。

佐渡島氏は、ブランドの作られ方について、「人の時間を節約させるものではなく、消費させることで、ブランドになっていく」と考える。冷蔵庫、掃除機、洗濯機などは時間節約型だが、このタイプの商品は、性能の良いものが出てくるたびに評価が変わるので、ブランドになりづらいという。

一方、ウォークマンは、わざわざ歩きながら音楽を聴く行為で、消費型にあたる。「聴かなくてもいいものを、あえて聴く。このように、やらなくてもいいことに時間を使う行為がブランドをつくってきた」(佐渡島氏)

佐渡島氏は2030年の文化については、「カスタマイズ型」に着目している。料理では、コースではなくアラカルトが流行り、音楽でも、複数人のアーティストの曲が収められたアルバムが売れている。これまでは、ルールのなかで遊んでいたが、これからは、「ルールがなく、一人ひとりに合った形で自由に楽しめるものが人気になっていくだろう」と予測した。

■「大切な人の5年後の誕生日プレゼントを考える」

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