大阪の都心部に位置する新梅田シティ(大阪市北区)の「梅田スカイビル」北側にある「新・里山」で、10月26日、近隣の大淀小学校5年生59人が稲刈りに挑戦した。積水ハウスによる教育支援活動の一環で、秋晴れの中、都心の空に子どもたちの歓声が広がった。(オルタナS関西支局特派員=立藤 慶子)
「新・里山」は2006年、約8,000平方メートルの敷地に、積水ハウスら地権者が日本の原風景である里山を手本にして造ったもの。水田以外にも野菜畑や雑木林、竹林、茶畑などがあり、都会ではめずらしい野鳥や昆虫類などを確認することができる。同社は2007年より、同地を地元の幼稚園・小学生による農作業体験の場として提供している。今回参加した小学生は6月に田植えを体験しており、この日までに品種や消費量などお米について調べ、グループごとに発表を行うなど、授業で米づくりのことを勉強してきた。
稲刈りは大半の子どもたちが初めてで「思ったより硬くて切りにくい」「ふー、やっと切れた!」など、あちこちで、自分たちが植えた稲を苦戦しながら収穫する声が響いた。作業を終えた中川仁夏(なかがわ・にな)さんは「こんなに育っていてびっくりした。食べるときには今日のことを思い出し、じっくり味わいたい」と話した。
刈り取った稲は次々と稲架掛け(はざがけ)され、約1ヶ月乾燥させた後に脱穀される。その後、授業では透明の鍋で吸水時間や火加減の調整、お米が炊きあがる様子を観察するなどの学びにつなげていくという。
同小学校担任の高坂今日子先生は「社会科では農家は機械を使って稲刈りをすると教えるが、昔はどうしていたのかを実際に体験しながら学べる機会は非常に貴重。季節を通して田植えから収穫まで学べるのも有意義」と話す。また、子どもたちの様子を見学に来ていた保護者は「都会に住んでいながら土に触る機会があり、とてもありがたい。帰宅後の子どもたちの報告が楽しみです」と話していた。
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