地域復興を行うNPO法人SET(セット、岩手県陸前高田市)は、来年2月29日から実施する「Change Maker Study Program」への参加者を募集している。同プログラムは、大学生・院生を対象にした1週間限定の広田半島へのインターンシップ。学生たちは、1週間、陸前高田市広田町に滞在し、町の課題を見つけ、解決策を考え、実行まで行う。インターンシップといっても、企業で働くわけではなく、個人として地域の課題を解決するためにできることを見つける。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

広田町の住民に教わり農作業体験

広田町の住民に教わり農作業体験

同団体は、2013年3月から同プログラムを行ってきた。今回募集するのは、7期~9期の参加者。学生たちは、1週間の前半は地域住民と交流し、漁業や農業など住民の暮らし・を体験する。広田町を知ることでアイデアを考え、後半で企画したものを実行する。

これまでに参加者が考えたアイデアでは、広田町のPRムービー製作や特産物の開発会などがある。PRムービーは、「海が似合うまち」というタイトルで製作し、映像コンテストに出展した。特産物の開発会では、広田町にある伝統的なお菓子「なべやき」に着目し、地域住民とともに特産物になるなべやきを考え、実際に販売もした。

今回は1回1週間で行うプログラムを3回連続で行う。そのため、合計で50人の参加者を募集している。参加者と同世代のスタッフが20人弱おり、プログラムが終わってからも、「どう生きたいのか」をともに考える仲間となる。

このプログラムで出会ったメンバー、住民たちとのつながりは終了後も続く

このプログラムで出会ったメンバー、住民たちとのつながりは終了後も続く

同プログラムを担当するセットの岡田勝太さん(23)は、震災から4年が経過した今、東北に来る意義について、「変化に触れられること」と言う。「震災から4年がたち、『変わっていく』瞬間がこの町には溢れている。閉鎖的だった地域、変化を拒んでいた地域が変わっていく瞬間。その瞬間に関わり、立ちあえることが個人の人生においても大きな経験となるはず」。

このプログラムは、岡田さんが学生時代に考えたもの。岡田さん自身がこのプログラムを通して、広田町の魅力に触れ、大学卒業後、同町への移住を決断した。同プログラムに最適な学生は、「将来の選択肢に悩んでいる人」と答える。「今の社会の仕組みの中に、自分自身の将来のあり方をうまく見出せない人にとっては、目の前の一人のために全力で行動することで、自分自身の将来を見つけるきっかけになる」と話す。

◆Change Maker Study Program
参加者募集期間:2016年1月20日まで。
プログラム実施:2015年2月29日~3月6日 3月7日~3月13日 3月14日~3月20日
対象:大学生・院生
参加費:68900円(交通費別)
公式サイトはこちら

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