無関心な人々に、支援を促すことは難しい。重要になるのは、その活動自体が持つストーリーをどのようなカタチで相手に伝えるかだ。それらのストーリーをTシャツに込めて発信しているのがファッションブランドの「JAMMIN(ジャミン)」。運営者に学生時代のエピソードと社会問題を伝えることの課題について聞いた。(MAGADIPITA支局=久保田 惟・慶應義塾大学総合政策学部1年)
JAMMINは2013年11月に京都で創業。毎週異なるNGO/NPOなどの非営利団体と提携し、チャリティーTシャツを企画し、販売している。1アイテムの購入で700円を、提携先団体へ寄付するファッションブランドだ。
先日開催された「第3回 地域の起業家大賞」において優秀賞を受賞するなど、地元でもその活動の存在価値に注目が集まっている。
共同経営者の高橋佳吾さんは、15分あまりのTV番組がきっかけで国際協力の現場に魅力を感じるようになった。その番組では、発展途上国に井戸を掘る取り組みを紹介しており、「それまでの価値観から何か変わった瞬間」と振り返る。
イマを生きている私たちだからこそ、「後世に何か残したい」という思いがあると力を込めた。社会を変える人々が「かっこいい」と思える世の中にするために、自分たちの取り組みには意義があると締めくくった。
「JAMMIN」唯一のデザイナーとして働く日高さん。大学時代から、自分を表現することに憧れ、熱中していたと話す。団体のストーリーをヒアリングし、Tシャツをデザインすることは難しいが、その分、やりがいも大きいという。
毎週異なるチャリティーTシャツを一人でデザインしているからこそ、デザインの幅が求められる。だからこそ、日々のデザインの業務は、自分自身にとっても挑戦である。若さから生まれるチャレンジ精神を忘れずに、日々の挑戦を続けることが、「自分の大きなテーマになっている」。これからも彼が描く、Tシャツに込められたデザインに注目だ。
西田さんは前職、高橋さんとともに開発コンサルタントとして働いていた。何もないところにライフラインを整備し、多くの人を救うことにやりがいを感じていた。そんな彼は、いつからか社会課題に対する支援のプロセスに疑問を抱くようになったという。お金がなければ生活できない現代社会。生活に困るから働く、そんな当たり前の価値観がある。
その価値観の中で、いかに支援を促すのか、そこに一番の面白みがあると西田さんは語る。支援者が負担に感じないチャリティーの実現、それが西田さんのビジョンであり、「JAMMIN」が目指す支援だ。誰も気付いていない「無駄」に着目し、新たなビジネスモデルを提案できれば、支援の幅は今まで以上に広がる。今までにない視点、考え方で社会課題に向き合っていくためにも「JAMMIN」の取り組みは続いていく。
様々な想いを抱え、より良い社会を実現するために取り組みを続ける人々がいる。今週のチャリティーTシャツを見てみれば、それが支援の始まりになる。まずは「JAMMIN」のサイトを見てみてはいかがだろうか?
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