国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは6月21日、住友化学の第135期定時株主総会会場前で、ミツバチなど生態系に影響があるネオニコチノイド系農薬の製造・販売に対して、その製造中止と生態系農業の推進にビジネスモデルを転換するように求めた。同日、グリーンピーススタッフとボランティア計13人が会場前に集まり、「脱ネオニコにあなたの一票を! Save The Bees」と書かれたプラカードを掲げ、株主に向けてアピールした。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

住友化学の株主に対して、ネオニコチノイド系農薬を販売するリスクを訴えた

住友化学の株主に対して、ネオニコチノイド系農薬を販売するリスクを訴えた

グリーンピースのボランティアで日本ミツバチの保護活動を行っている御園孝氏は、総会に参加し、「ミツバチの被害が広がっている」と発言したところ、十倉雅和・住友化学社長は「環境問題に積極的に取り組む」と答えた。御園氏は、「社内だけでなく、市民団体なども巻き込み、ミツバチに有害な農薬をやめていくべき」とコメントした。

グリーンピース・ジャパンの食と農業問題担当の石原謙治氏は、「ネオニコチノイド系農薬は、ミツバチなど農業に有益な生物にも作用することから、世界で規制が広がっている」と説明する。農林水産省の調査では、稲のカメムシ防除に使用した殺虫剤に直接暴露したことが原因で、ミツバチが被害を受けた可能性が指摘されている。

同社はネオニコチノイド系農薬の「ダントツ」を販売している。石原氏は、「養蜂家や農家から非難の声があがっており、日本での規制導入も時間の問題。住友化学が掲げる『かがくの夢、くらしの中に。』のメッセージが悪夢とならないように、ビジネスリスクを回避するためにネオニコチノイド系農薬販売から撤退するべき」と訴えた。

 

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