LGBTの方たち向けの、就職活動支援があるのをご存じだろうか。一見、LGBTであるがゆえに就職活動に支障をきたすということはない気がしてしまう。採用を行う企業側からすれば、面接時に自らカミングアウトをしない限り、その人の「性」を採用の基準にすることはなく、LGBTの就活生を苦しめていることにならないからだ。が、現実にそのサービスはある。LGBT就活生が直面している3つの課題を紹介していこう。

日本のLGBT問題に取り組む特定非営利活動法人ReBitの代表である藥師実芳氏は、今の就職活動には、LGBTに対する配慮が不十分な点がいくつも存在すると指摘する。

例えば下記の3点だ。
・勤務中はスーツを着なければいけないせいで、「心の性」は女性であるのにも関わらず、外見は常に男性でいなくてはいけない。
・福利厚生に同性のパートナーが家族として含まれないことで不安を抱えたまま働かなければならない。
・LGBTはアイデンティティだからこそ、これまでやこれからの人生に関わるが、面接でそのことを口にした途端拒まれてしまう。
など様々だ。

そんなLGBT就活生の抱える困難について知ってもらうべく、ReBitでは企業へLGBT研修を行い、多様な「性」への理解を促している。こうした動きが今後も広がっていくことで、多様性に富んだ日本社会が少しずつ実現されていくだろう。

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執筆者:倉島賢一(東洋大学経済学部4年)
初めまして、倉島賢一です。大学2年生の夏にフィリピンのセブ島を訪問し、そこで直面した貧困問題に大きな衝撃を受け、国際協力系のNGOでのインターンやボランティア活動に参画するようになりました。途上国での問題に取り組むに連れ、日本の抱える社会課題にも関心を持つきっかけができ、現在は子ども関係のNPOでインターン活動をしています。普段大学では学べない、より幅広い知識を身に付けたいと思い、こちらのNPO大学に参加させていただいております!どうぞよろしくお願いします。

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