グッチは10月11日、2018年春夏コレクションからリアルファーの使用を廃止すると発表した。同社のマルコ・ビッザーリ社長は、「(毛皮を廃止することで)革新を促し、高級ファッション業界をより良い方向に変えていきたい」と述べた。アルマーニ、HUGO BOSS、Yoox、ステラ・マッカートニーなど多くの高級ファッションブランドが毛皮廃止を宣言している。動物愛護団体であるNPO法人アニマルライツセンターの岡田千尋代表は、「特に若い人たちの優しく、エシカルな選択が社会を動かす原動力になっている」と話した。(オルタナS編集長=池田 真隆)
グッチは毛皮の取り扱いについて、リアルファー取引の廃止に取り組む米国合衆国人道協会The Humane Society of the United States (HSUS) とイタリアの動物権利団体LAVと長期間、協議していた。このほど、同社はファーフリーブランドの認証プログラム(Fur Free Retailer Program)に賛同した。
HSUSのファッション政策担当マネージャーのPJ・スミスは、「犠牲の上に成り立つ製品を嫌うエシカル消費に関心がある客層は増えている。グッチはこの価値観を理解しており、消費者から支持を受けることになるだろう」と話した。
毛皮農場で飼われている野生動物たちは、残酷な方法で殺される。毛皮を傷つけないために、ガス殺や肛門からの感電殺などだ。農場では多量の化学物質も使用するため、環境コストや消費者の健康リスクも問題視されている。
日本でもエシカル消費を支持する消費者層は増えており、毛皮の輸入量は11年連続で減っている。昨年11月には国内の毛皮農場はすべて閉鎖した。動物愛護団体であるNPO法人アニマルライツセンターの岡田千尋代表は、「特に若い人たちの優しい選択が社会を動かす原動力になっている」と話した。
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