8月8日~12日、若者による震災復興プランを創る「日本を創り継ぐプロジェクト」のファーストステージとして成田で合宿が行われた。このプロジェクトは、Facebookを通じて10代、20代の若者から震災後の復興プランを募集し、デザインするプロジェクトで、野村総合研究所とNTTデータが運営する。動画による参加表明をした後、60名の若者が全国から合宿に参加し、熱い議論が繰り広げられた。



参加者の9割が学生だ。「ビジネスコンテストに出場していて、復興に対して何かできないかと考えたときにこのプロジェクトを知った。このような形なら自分がやってきたことを生かせるのではないか」という想いで参加した学生や、「仙台在住だが、現地から少し離れて俯瞰して震災を見つめ、学生視点での復興ビジョンを考えたい」という学生など、参加動機も様々だ。ただ、共通しているのは、「今の自分(若者)の視点、立場から震災を見つめ、復興のための力になりたい」という熱い想いだ。

13のグループに分かれ、復興プランのアイディアを議論し、より具体的なものにしていく。例えば、「被災地の人たちが主人公となる運動祭を行う」「最先端の再生可能エネルギー都市とつくる」「本当に安心な食の放射能基準について考える場をつくる」など様々な視点からのプランがある。

3日目には、ソーシャル分野で活躍する有識者を招いて、各グループで意見交換が行われた。前述の「安心な食の放射能基準について考える場をつくる」グループでは、「多くの人が不安から放射能について考えることをあきらめてしまっている。まずは、消費者が実際に放射能問題に対してどう行動しているか調べてみては」とアドバイスをもらっていた。
参加者は「自分たちの議論ではつめきれていないことを指摘いただけた」と語った。その後もFacebookを通じて各グループで活発な情報共有、議論が行われている。

21日~25日にはセカンドステージとして仙台でのフィールドワークをし、最終的な復興プランの発表を行う。今後は「本気でプランを実行したいという若者がいれば、ソーシャルな活動を行う団体とつなぐお手伝いをし、実行を応援していきたい」(NTTデータ経営研究所櫻井氏)という。今後の動向に注目したい。(オルタナS編集長 猪鹿倉陽子)