10月22日投開票の衆議院選挙に向けて、8政党の公約(マニフェスト)や政策を紹介します。各党の公約をもとに、「憲法改正」「消費税引き上げ」「原発・エネルギー政策」「環境・ダイバーシティ」をもとに比較しました。(オルタナS編集部)
◆政策比較表:「憲法改正」「消費税引き上げ」「原発・エネルギー政策」「環境・ダイバーシティ」をもとに比較
政党名 | 憲法改正 | 消費税引き上げ | 原発・エネルギー政策 (協力:FoEJapan) | 環境・ダイバーシティ関連から一部抜粋 |
自由民主党 | ○ 自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消など4項目を中心に改正を目指す | ○ 2019年10月に消費税を10%に引き上げ | ・原発をベースロード(基幹)電源と位置づけ、再稼働を推進 ・原発依存度を可能な限り低減 ※エネルギー長期需給見通しでは、2030年の発電電力量に占める原発の割合を20~22%としているが、これはすべての原発の運転再開と40年を超えての運転延長、新増設を前提としたものとなり、「原発依存度の低減」と矛盾 | ・性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指す ・パリ協定の実施に貢献。温室効果ガスの2050年80%削減を目指す ※現在の目標は2030年までに2013年比26%削減(1990年比18%) |
日本共産党 | × 全文をふくむ全条項を守り、憲法9条の精神に立った平和的な外交戦略を確立することを目指す | × 消費税率10%引き上げに反対。大企業と大資産家に応分の負担を求め、財源を確保 | ・「原発ゼロ」の政治決断を行い、原発の再稼働を中止し、すべての原発で廃炉のプロセスへ ・2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーに ・核燃料サイクルからの撤退 | ・女性やLGBTへの差別をなくし、言論・表現の自由、教育の自主性を守り、ヘイトスピーチを根絶する ・「障害者総合福祉法制の実現」「所得の保障」「障害児の療育や保護者支援」など障害者・障害児に関する15施策を提案 ・パリ協定の目的達成のために、地球温暖化対策の深刻な遅れを克服する。2030年までに温室効果ガス1990年比40%~50%削減の実現を目指す |
希望の党 | ○ 憲法9条を含め、憲法改正論議を進める | × 2019年10月の消費税率の10%への引き上げの凍結。大企業の内部留保への課税を検討(約300兆円) | ・2030年までに原発ゼロを目指す(ただし、再稼働は条件付きで容認、原子力技術の保持も明記) ※「原発ゼロを憲法に書き込む」としているが、通常の法律で十分だと考えられる。原発事故被害者への対応には触れていない | ・LGBT の差別禁止法の制定、ヘイトスピーチを含む人種など差別禁止法の制定 ・地球温暖化対策の徹底、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)など「ゼロエミッション車」化の加速、ESG 投資の促進 ・フードロスゼロ |
公明党 | ○ 新たな条文を付け加える こと(加憲)によって改正 | ○ 軽減税率を導入(食料品は8%など) | ・原発ゼロを目指すが、再稼働は立地自治体の理解を得て判断 ※与党として、「2030年原発20~22%目標」をどう考えているのかについては明らかにされていない | ・障がい者のライフステージに応じた教育・支援の充実、保育や介護従事者の賃金引き上げなど ・人権の保護、性的マイノリティーの支援 |
立憲民主党 | × 専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する安全保障法制を前提とした憲法9条の改悪に反対 | △ 議論は必要だが、ただちに引き上げることができない | ・原発ゼロ基本法を策定し、「東京電力福島第一原発事故の被害者に責任ある対応」「自主避難者を含む避難者に対する生活支援」を掲げる ・再生可能エネルギー・省エネ技術への投資拡大と分散型エネルギー社会の実現 | ・パリ協定に基づく地球温暖化対策の推進 ・あらゆる差別の禁止(LGBT差別解消、性暴力被害者を守る支援センターの設立など) ・障がい者差別解消法の運用強化、手話言語法制定の推進 |
日本維新の会 | ○ 教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置など、身近で切実なテーマについて改正案を発議、国民投票に付していく | × 2019年10月の消費税率の10%への引き上げの凍結。議員報酬3割カット、議員定数3割カット | ・「既設原発は市場競争に敗れ、フェードアウトへ」とするが、原発の再稼働については条件付きで容認。原発再稼働責任法案の策定を進める ・核燃料リサイクルは廃止 ・再生可能エネルギーなどの導入を促進 | ・ICT技術を活用し、障がい者(チャレンジド)の自立と社会参画を促進。在宅での業務遂行を普及するなど、障がい者を納税者に |
社会民主党 | × 9条の死文化に反対、「平和主義」「国民主権」「基本的人権の尊重」の3原則を遵守 | × 消費税率10%引き上げに反対 | ・原発の新増設は撤回し、再生可能エネルギーの割合を2050年までに100%に ・「避難の権利」の尊重、住宅の無償提供、「原発事故・子ども被災者支援法」の理念を守るなど、原発事故被害者への対応が充実 | ・障害者権利条約、障害者差別解消法の徹底、手話言語法の制定 ・精神保健福祉法の改正案に反対し、地域医療・福祉の充実と権利擁護制度の創設の方向で抜本的に見直す ・障がい者の所得保障に取り組む ・ユニバーサル・デザインやバリアフリーの推進 ・「LGBT差別禁止法」の制定 ・外国人の地方選挙権を実現 |
日本のこころ | ○ 自主憲法の制定を目指す | △ 消費税マイレージ制度を提案 | ・再稼働の推進 | ― |
諸派 | ― | ― | ― | |
無所属 | ― | ― | ― |
【LINEからも配信中!】オルタナS編集部おすすめのニュースやイベント情報などをお届け!
◆オルタナ50号ではミレニアル世代を特集
[showwhatsnew]