伊藤忠商事は10月25日、「伊藤忠Kids day @キッザニア東京」を開いた。キッザニア東京を貸し切り、同社とグループ会社に勤める親子等が職業・社会体験を楽しんだ。同社が働き方改革の一環として導入している「脱スーツ・デー」にちなんで、「親子デニムコーデコンテスト」やキッズモデルによる「EDWINグループファッションショー」も行った。(オルタナS編集長=池田 真隆)
伊藤忠商事はオフィシャルスポンサーを務めるキッザニア東京を年に一度貸し切り、同社が社会貢献活動の柱の一つに掲げる「次世代育成」を目的として、伊藤忠グループで働く社員の子どもを招待しており、今年で6回目を迎えた。
伊藤忠商事では今年6月から働き方改革の一環として、「脱スーツ・デー」を実施している。これは毎週金曜日に、従来のカジュアルフライデーとは異なり、社員のドレスマナーとしてデニムやスニーカー等も着用可とし、より一歩進んだドレスダウンを可能としたもの。
服装は個々人の働く姿勢を表現するツールであり、周囲を意識しながら着こなしを工夫することで、社員の働く気分やモチベーションが格段に上がるだけでなく、新鮮で柔軟な発想をもたらすことを狙った制度だ。これまでに同社では、働き方改革の施策として、「朝型勤務」や「健康経営」を推進してきた。「脱スーツ・デー」では、「装いや振る舞い」に焦点を当てた。
この取り組みを活性化していくために、「伊藤忠Kids day @キッザニア東京」でも、「デニム」にフォーカスしたイベントを行った。
その一つは、「EDWINグループファッションショー」。公募したキッズモデルが、秋冬のデニムコーデを着こなし、ランウェイを歩いた。もう一つは、「親子デニムコーデコンテスト」。審査で選ばれた親子3組が表彰された。審査にあたって、事前に会場に来場した親子の写真を撮影。そのなかから、EDWINグループと伊藤忠商事の社員が審査を行った。
コンテストで選ばれた大庭絵美子さんは翔くん(7)と瞬くん(2)と出場した。大庭さんのご主人が伊藤忠商事で勤めており、「脱スーツ・デー」にも積極的だという。「毎週、自分で楽しそうに服を選んでいる」と話す。
同社の人事・総務部企画統轄室長の西川大輔氏は、「服装を選ぶことで新たな会話が生まれるきっかけになっている」とその効果を説明。「服装を自由にしたことで、相手にどう見られるのかを考えるようになった。家族内だけでなく、取引先ともコミュニケーションが生まれている」。
同社の約7割は脱スーツ・デーで、デニムやジーンズを着て出社するようになったという。若手社員だけでなく、部長や経営陣も積極的にこの取り組みに参加している。
同日、来場した同社の代表取締役専務執行役員CAOの小林文彦氏は、「いつも同じスーツに慣れてしまうと考え方も固定化されてしまう。ドレスコードを緩めることで、お客様との会話が生まれ、新たなインスピレーションが生まれてくることを期待している。この取り組みは、単に服装を変えるだけでなく、新たな金曜日の提案である」と話した。
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