岩手県陸前高田市広田町でまちづくり活動を行うNPO法人SETが同町で実施する地域インターンシッププログラムの参加者を募集している。参加対象は主に学生で、1週間広田町に滞在しながら、住民とともに町の課題を発見し、解決策を実行する。このプログラムを通して、人口3000人ほどの広田町に半年間で120人の学生が関わる。地域インターンシップとしては国内最大規模を誇る。30年後には消えてしまうかもしれない町で、20代の若者が自分の人生と町の未来に挑戦する。(オルタナS編集部)

縁もゆかりもなかった町が参加者の「また来たい」場所になる

このプログラムの名称は、「ChangeMakerStudyProgram」。同団体は2013年3月から同プログラムを実施している。町民と外部の若者が共に挑戦をしていくことで町の課題解決へつなげたいという思いから始まった。

これまでの4年間で10回行い、当初1回の参加者はわずか5人ほどだったが、いまでは80人ほどまで増えている。企画を運営する学生と合わせると、3000人の漁師町に半年間で約120人もの学生が訪れるようになっている。

学生を対象とした地域インターンシップとしては日本最大規模だろう。今回は1週間のプログラムを6回実施し、各回20人の参加者を募集する。募集時期は1月17日までで、2月26日から実施していく。

■学生発の美術館も

広田町に到着した参加学生たちはまず同町の漁業や農業などを体験する。その後、自分たちの想いを形にした町のためのアクションを計画し、実行まで行う。

過去には、「1日美術館」の実施や「写真立て」などものづくりを行った。1日美術館を「三陸館」と名付け、広田町内に住む画家・畠山孝一さんの絵を飾り、広田の魅力を新たに発信する場所をつくった。

三陸館はプログラム終了後も町内で正式に美術館として存続している。ものづくりでは、町内で見つけられる流木や捨てられている貝殻を使用して写真立てなどをつくり、町の中にある捨てられるものにも少し手を加えるだけで魅力あるものができることを伝えた。

貝殻と流木で作った写真立て

参加する学生たちは専攻学部や出身地も多種多様。過去には沖縄からの参加者もいた。参加理由も、「何か自分にできることはないか」、「ただ悶々とすぎる学生生活で何かに挑戦したい」など。

自己犠牲として社会や町の為になることをするのではない。参加した学生からは、自分のやりたいことや将来の夢にも挑戦しつつ、30年後消滅する町の課題にも向き合うことで、このプログラムでしか得られない価値があったという感想が出ている。

【ChangeMakerStudyProgram】
募集時期:2018年1月17日まで
定員:各回20人
実施時期:
第1週目:2月26日(月)〜3月4日(日)
第2週目:3月5日(月)〜3月11日(日)
第3週目:3月12日(月)〜3月18日(日) 3月13日(火)〜3月19日(月)
参加費:79920円(参加費には1週間の宿泊費、移動費、食費、温泉代が含まれます。現地までの交通費は含まれていません)
詳しくは:http://1week.set-change-maker-program.com/


【編集部おすすめの最新ニュースやイベント情報などをLINEでお届け!】
友だち追加



オルタナ51号では寄付を特集

第一特集は「2020年、寄付3兆円規模へ」

オルタナ51号(12月18日販売)では、「寄付」を特集しました。寄付を社会課題の解決に不可欠な武器ととらえ、戦略的に寄付を集める国内外の取り組みを紹介しています。詳しくはこちら

[showwhatsnew]

お知らせ オルタナSでは、社会問題の解決につながる活動を行う若者を応援しています。自薦・他薦は問いませんので、おすすめの若者がいましたらご連絡お待ちしております。記事化(オルタナS/ヤフーニュースほか)に加えて、ご相談の上、可能な範囲で活動の支援をさせていただきます。お問い合わせはこちらから