大気中に占める二酸化炭素の濃度が過去最高値を更新するなど、地球温暖化が深刻化している。フィリピンでは、小学生から大学生までを対象に、植樹しないと卒業資格を与えないという法律まで成立させた。(オルタナS編集長=池田 真隆)

フィリピンでは大規模伐採により、急速に森林がなくなっている

フィリピン政府はこのほど、10本植樹しないと卒業資格を与えない法律を成立させた。対象は、同国の小学生から大学生まで。子どもたちに環境を守る意識と意義を理解させることが背景にある。20世紀初めには、同国の国土面積の70%が森林だったが、伐採などの影響で、20世紀の終わりには20%にまで減少した。

温暖化の深刻さは増すばかりだ。ハワイのマウナロア観測所は5月、大気中に占める二酸化炭素の濃度が415ppmを記録したと発表した。同観測所では、1950年代後半から観測を行ってきており、このたび過去最高値を更新した。

産業革命以前の大気中の二酸化炭素濃度は280ppmだった。二酸化炭素は地球温暖化の主要因の一つとされている。世界的な猛暑が懸念されるだけでなく、二酸化炭素の濃度が濃くなることで、生態系へも影響を及ぼす。

国連の世界気象機関は2月、2015年から4年間の世界の気温が観測史上最高だったと報告している。大気中の二酸化炭素濃度がこれほどまでに高まったことは300万年以上前にあったが、その当時の海水位は現在よりも数メートル以上も高かった。さらに、南極大陸は森林に覆われていた状態だったという。

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