スウェーデン発の家具販売大手イケア・ジャパンは6月8日、初の都心型店舗であるイケア原宿を開業する。一人暮らし向けや低価格で実現する部屋など都市の暮らしのニーズに対応した売り場が特徴だ。郊外の大型直営店で、家族連れなど車での来店客の需要に応えてきたイケアにとって、新たな販売戦略を表す店舗となる。コロナウイルスの感染防止対策では混雑緩和やビニールでの区切りなどを実施し、カフェは座席を間引いて営業する。(堀 理雄)

イケア原宿では、一人暮らし向けの部屋、低価格で実現する部屋など、都市部の暮らしを反映した部屋の展示が充実している

IKEA原宿は、東京都のJR原宿駅前、WITH HARAJUKU内に総面積2500平方メートルで営業する。当日持ち帰りが可能な900点のほか、後日配送での購入を含めると9500点の商品を展示する。

売り場は「都市部の暮らしのニーズ」に沿って構成。「眠る」「整える」「くつろぐ」「料理する」という4つのニーズで商品を分類し、限られたスペースを有効利用する家具や一人暮らし向けの部屋、低価格で実現する部屋などの展示が充実しているのが特徴だ。

イケア初の試みである「スウェーデンコンビニ」では、エコバックやサトウキビ由来のバイオプラスチックで作ったフリーザーバッグ、100%植物由来のカップラーメンなど、サステナビリティに配慮した手ごろな価格の商品が購入できる。

そのほか、温室効果ガスの削減に向けたEVトラック(電動トラック)「eCanter」を2台導入、ペットボトルではなくマイボトルの使用促進にむけ「mymizu」(マイミズ)給水スポットとしての登録など、サステナビリティに向けた取り組みを重視している。

当初4月の開業を予定していたが、新型コロナウイルスの問題で延期していた。感染防止対策では、混雑緩和のための入場整理券の発行や、レジなど対面設備にはビニールカーテンを設置する。従業員はマスクや場合によってはフェースシールドを着用し、消毒液の設置のほか、飲食エリアではテーブルやイスの間隔を空けたレイアウトなどを実施する。

同社のヘレン・フォン・ライス社長兼チーフサステナビリティオフィサーは、「イケアは、顧客とコワーカー(従業員)の安全確保を最優先としており、開業にあたっては、新型コロナウイルスの感染予防・拡大防止対策を徹底していく」と述べている。

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