——どんな人たちだったのですか。

新田:2人とも若者の力でこの国を良くするにはどうしたらよいかを本気で考えていました。1人は在日韓国人で、韓国籍のため選挙権がなかった。

法律を学び、自分のように日本国籍を持っていないために辛い思いをしている人たちを守りたいと話してくれました。その2人になぜ弁護士になりたいのかを聞かれたとき、恥ずかしくて答えられませんでした。僕はただ地位や名誉のために弁護士になることしか考えていなかったのです。弁護士になる夢が揺らぎ、大学や予備校に行く意味が分からなくなってしまいました。

——その後どうしたのですか。

新田:自己啓発本を読み漁ったり、セミナーに行ったりしましたが、自分のしたいことは見えてきませんでした 。1、2カ月学校にも行かずに考え込んでいたときに、予備校で出会った2人から学生団体に誘われたのです。

最初は若者の投票率を向上させる活動をしていたのですが、どんどん活動範囲が広がっていきました。そのなかで、社会人によるドリプラを運営していた大橋正伸さんという経営者に出会い、2009年12月に東京で初めてドリプラを見ました。

2000人規模の会場で、自分の親と同じ世代の人たちがボロボロ泣きながら夢を語る姿に、自分も涙が止まりませんでした。普段、目にしていたのは電車でしんどそうに通勤しているような大人ばかり。こんな熱く夢を語る大人もいるのだと思いました。

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