ここまで急激に成長した秘訣は何か。ジョンは、「困っているコミュニティーのために活動するのではなく、コミュニティーと一緒に何かを作り上げることが鍵だ」と話す。

RTRは、地元コミュニティーと密接につながり活動を展開する。ジョンが最初にネパールで学校を建設しようとしたとき、個人のお金で建設費を出そうとした。しかし、共同創設者のディネシュ・シュレスタは建設費の半分しかジョンに渡さなかった。

残りの半分はコミュニティーに出してもらうようにしたのだ。子どもたちに教育を受けさせたいという親の思いは強く、コミュニティーで協力し合いながら建設費を出し合い、建設現場で手伝いだしたという。

コミュニティーで協力し合いながら学校建設を展開する姿を見て、「どこの国でも、親は子どもに教育を受けさせたいものだ」と、ジョンは確信した。

母国語の本がない国のために、約850册のRTRオリジナルタイトルの児童書を出版し、今年で1000冊になる見込みだ。「出版社は貧しい国では儲からないため、本を出版しない。この現状を変えたかった」と話す。「20億人が20円以下で暮らしているが、頭が悪いからそうなっているのではなく、日本の皆さんなど先進国の方が当たり前に提供されている教育を受けていないためだ」。

現地語の本を出版するためにかかる費用は1冊100円だ。「億万長者でなくても、誰でも支援できる」とジョンは訴える。昨年の調べでは、同団体の教育支援を受けた女子生徒の68%が高等教育または大学まで進学していることが明らかになっている。

合い言葉は「GSD」

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