--最初の反応はいかがでしたか。

北村: 最初は本当に大変で、1軒1軒訪ね歩いたのですが、全く売れませんでした。気温40度の炎天下のなか、300㍍間隔で離れた家々を歩いて回るのですから、1時間も持たずに干上がってしまいます。

なかなか売れないので徒労感が漂っていました。それでも、やっているうちにいくつか売れ始めました。

味の素がガーナで販売するココプラス



幸運だったのは、製品に含まれている大豆やアミノ酸などによって子どもに良い影響が表れ、効果を実感してくれたことです。2週間ほどで、ほとんどのお母さんから「下痢が減った」などの良い報告がありました。それが口コミで広がっていったのです。

--いま初めて試食しましたが、少し甘くてきな粉のような風味ですね。ココプラスは1日でどのくらい消費するのですか。

北村: ココは酸味が強く、ガーナ人は甘い味が好きなのでこの味に決めました。必要な栄養素を摂ってもらうために、1日で1袋消費してもらうようにしていますが、1食で1袋食べる人が多いです。

栄養面だけでなく、「美味しい」というのもポイントです。現在はガーナ全体で1日1千袋売れています。

--価格はいくらくらいですか。

北村: 現地通貨で1袋20ペセワスです。日本円換算で約11円(2013年5月現在)。ガーナの人は、その日その日を生きていますから、月収という概念がなく、家庭単位の日収が100-200円です。

ですから、ココプラスは決して安くありません。一家庭に子どもが5、6人いますから、毎日買って食べてもらうのは、容易なことではないのです。

パートナーとの交渉が鍵

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