マンベジの酒屋さん

マンベジの酒屋さん

ある日。またディナの同僚であるアイハムに誘われ、週末に遠足に行く。湖畔でまったりと過ごす。19歳のアレッポ大学生の彼は、大学に行くそぶりも見せず、バイトとして僕達のサポートをしてくれている。だが、あまりの学校に行かなさに「僕らを監視する秘密警察ではないか?」と勝手に疑ってみたくもなる。

ある日、道を歩いていると珍しく女の人に話しかけられた。その日の晩、なんと家にやってきた。僕の家の近くの雑貨屋で、僕が名前を書いた人が親戚だったため、僕らの家を知れたらしい。後日、彼女の家の遊びに行くと、女性と子どもばかりだった。

夫はヨルダンで出稼ぎ中らしい。ここマンベジの男性のうち、ヨルダン・レバノン・ギリシャ・サウジアラビアなどの海外へ出稼ぎをしている人が30%以上(田舎に行けば60%以上)なのだそうだ。彼女の家のテレビからは、結婚資金を貯める為に海外に出稼ぎに行った男の寂しさと愛を謡う歌が流れていた。

街を歩くと、声をかけられる

街を歩くと、声をかけられる

外に出る。それは本当に楽しい。今日は、どんな新しい友達に出会えるんだろう?どんなアラビア語を教えてもらうんだろう?僕は彼らにうまく日本のことを、僕のことを説明できるだろうか?もちろん、言葉ができない不安はあるけれど、彼らは口を揃えてこう言ってくれる。「アラビア語を学びたいんだろう?いつでも遊びに来い。一緒に茶を飲もう。言葉は、そうやって練習するのが一番さ。俺達はいつでも大歓迎だ」と。僕は、マンベジが、そこに住む人たちが、大好きになった。

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