プロジェクトが展開している人口400人強、40数世帯が住むナワジャという村には、家から徒歩で行くと1.5時間かかってしまうため、SUZUKIを使っていくと便利だ。だが、乗り合いタクシーだけに値段はバラバラ。行きは75SPだったのに、帰りは10SPの日もあれば、逆の日もある。

ある木曜日、そのナワジャ村でウェディングパーティーがあるという話を聞き、行くことにした。小さく保守的な村であることも手伝い、「まずは有力者(アラビア語でムフトゥール)へ挨拶」をしなければならない。ナワジャ村の入口からムフトゥールの家まではずいぶんと遠く、幹線道路に面した村の入口から30分の距離を歩いて、挨拶に向かう。ムフトゥールやその家族もCHV(Community Health Volunteer)であり、JICAのプロジェクトのことはよく知っているし、僕らも何回か会っている。会うなり、笑顔で応接室に歓迎してくれた。

ナワジャ村のムフタール

ナワジャ村のムフタール

結婚式のことを聞くと「今日ではない」との説明を受けた。「じゃあ、いつなんだ?」と聞くと「明日・・・うーん、明後日・・・。そうだな、明後日」と、なんとも頼りない返事。結局30分近く、お茶を飲みながら歓談して、タイミングを見計って帰ろうとすると、農園へと連れて行ってくれた。木に生ったあんずを貰い、頬張る。

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