文部科学省の調査によれば、2012年度卒の大学生の内定率は約63.1%。また、大卒の半分、高卒の3分の2が非正規就労に従事しているとされている。

「若者の就業力強化」チーム責任者の市川博久さん

現在、日本の多くの産業は差別化が困難になってきており、企業はその中で競争力を維持するため、生産性の向上や海外への業務移転を余儀なくされている。結果として、若者の雇用に影響を与えているが、これは若者自身にとっての問題だけでなく、日本全体のマーケット縮小にもつながる。これからの社会の担い手であり、消費者でもある若者が安定した仕事に就けないことは、長期的には企業の存続も危うくするのだ。このような状況を打破し、若者が希望を抱くことができる健全な社会にしていくためには、新たなイノベーションによる就労機会の創出が必要となっている。

アクセンチュアはこの課題に対して、企業の責務として取り組んでいる。それは単なるボランティアとしての活動に留まらない。

その理念の表れのひとつが、プロボノが業務内に存在するという点である。会社が認めたプロボノプロジェクトの参加社員は、従来業務と変わらず社会貢献活動を行うことが出来る。単なるボランティア活動ではなく、一つの業務として専念することが可能になるのだ。時には2カ月間プロボノだけに関わることもあるという。そして社員が全力で取り組んだプロボノの成果は会社の評価対象になるという徹底ぶり。

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