世界にはローンを組めない人が約17億人いる。特に南半球の多くの国では口座を持っている割合はわずか1―3割。アジア圏にも信用が原因でローンを組めない人は多い。同社によると、自動車のローン審査の非通過率はインドネシアで7割、カンボジアで8割、フィリピンでは9割に及ぶという。

 これらの国では、車は必需品だ。余暇に楽しむためではなく、仕事や日常生活に必要なのだ。車がなくても働ける職はあるが、車を持つことで格段と就ける職の選択肢と収入は増える。

 現在同社はフィリピン、カンボジア、インドネシア、日本の4カ国で展開している。実は日本でも3割が自動車のローン審査に落ちている。高齢者やシングルマザー、非正規労働者に外国人労働者ら、支払うことはできるが与信審査に通らず自動車を購入できない人は年間で200万人いるのだ。

 従来、フィリピンの金融機関のデフォルト実績は20%だったが、同社の仕組みを導入したローンのデフォルト率は0.9%と驚異的な数値を記録する。購入者の車両データから運行情報と支払い状況や収入など金融にかかわる情報を掛け合わせることで、働きぶりを可視化し、金融機関と連携することで、教育ローンなど新たな信用創造につながる。金融機関からすれば、今まで貸せなかった人にローンを貸せるようになり、回収率も高く、新たな金融の扉を開けている。

GMSのビジネスモデル
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