食物連鎖上位種(A)が減ると、その下の(B)層の魚が増えすぎてしまう。そうなると(B)層がその下(C)層を食べ過ぎて第3層目(C)が激減してしまい、その連鎖の中にある生態系が崩れていくという。
混獲も大問題だと言う。
「アイスランドの1回の漁業を見てみると、269頭のネズミイルカ、9000頭の4種のアザラシ、5000羽の海鳥、が混獲される。これは小さな1漁場の話に過ぎない。それが世界中で行われている」
違法漁船に立ち向かうボランティア組織「シー・シェパード」のラムヤ・エッセムラリさんは「フランス西海岸で毎年1万頭のイルカが混獲で死んでいる。それは太地町で殺される数の10倍だ。それが30年続いてる。ある漁船はマグロを8匹捕るのにイルカを45頭殺した。それなのに、そのマグロは缶詰にされドルフィンセーフの認証を受けて売られている」と言う。
アリ監督はネットで調べるが、それを裏付ける証拠が見つからなかったので、ドルフィンセーフのマークの発行元「アース・アイランド・インスティテュート」に直接取材へ。そこで聞いたのは「イルカの混獲を1匹でもしたら認証マークは付与しない」という発言だが、「それをトレースするのは不可能だが」と言う。「普段は調査員を同乗させることもない。漁業を常時監視はしていない」と言う。
ジャーナリスト/環境保護活動家のジョージ・モンビオットさんは、「反プラスチック団体は、プラスチックの46%は捨てられた漁網、漁具(網 ブイ ロープ 浮き カゴ)なのにその問題に触れずストローやビニール袋の話ばかりする」と言う。
海洋学者カラム・ロバーツ教授の著書「The ocean of life」によると、一日に仕掛けられる延縄の長さは500周巻ける長さだという。
現在6種のウミガメが絶滅の危機だと言われているが、実はプラスチックで死ぬのは「地球上」で年間1000匹。しかし、「アメリカだけで」25万匹のウミガメが漁船の被害に遭っているという。