暴力や犯罪、児童労働、そしてアルコール・薬物依存。中米ニカラグアでは、2005年には104,103件であった犯罪件数が、2010年には161,757件と増加傾向にあり、貧困を背景とした治安の悪化が顕著となっている。特に大きな問題となっている家庭内暴力においては子どもや女性が被害を受ける場合が多く、ニカラグア政府は、社会的に脆弱で危険に晒されている人々の保護の重要性を強調している。
住民が社会リスクに直面する機会が増加する中、JICAは家族・青年・子ども省(通称、家族省)と協働し、こうした問題を未然に防ぐための「予防」活動と、既に起きている問題への対応である「ケア」活動の2つを包括的に提供する統合サービスを確立し、社会リスクへの対応強化を図っている。現地で奮闘するJICA専門家の佐藤真江さん、宇佐美茉莉さんに話を聞いた。(オルタナS特派員=清谷啓仁)
■時代の流れは包括的なサービスへ