かつて日本との二国間で行われてきた支援は、南南協力(開発における途上国間協力)という形で支援の輪が広がっている。中南米の多くの国では社会格差の是正が共通課題となっており、これまでブラジル・ペルー・パラグアイなどに対して、SECAPと同様の支援がJICAによって行われてきた。共通の課題を持ち、なおかつ言語・文化体系の似通った中南米の国々がお互いに技術協力できるようになることは、国際協力においても大きな意味を持つ。

「このプロジェクトの特徴は、南南協力によって国を横断した支援が行われているということ。周辺国同士が知識や技術を共有することで、より効果的・経済的な支援が期待できます。さらに、中南米は陸続きであることから、必然的に人の往来が多くなります。仕事を求めて移動する場合が多く、その中には難民と呼ばれる人たちもいます。国が変わっても簡単には仕事を得られないというのが現状ですが、将来的には中南米で統一された技能検定制度が整備されることを期待しています。ある国での職業訓練によって得られた知識や技能が、別の国でも認められるような状況を生み出すことができれば、国を越えて貧困や難民問題に立ち向かっていけるはずです」と菊池さんは語る。


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