■日タイを結ぶ食のプラットフォームの実現へ
幅広いプロジェクトに取り組んでいるヤムヤム。多様なプロジェクトの根幹には確固たる団体理念が存在している。生産者に着目し、生産地の現状をより多くの人に伝えようとするからこそ、様々な団体と連携することの可能性が生まれている。
——行政はもちろん様々な団体とのコラボレーションがありますよね。
西田:多くの団体と連携を結ぶことができるのはヤムヤムが持つ強みだと思っています。食材の生産者はもちろん、飲食店、メーカー企業、タイへの販売経路の開拓など今までにないニーズを発見することが可能になります。
——タイにも食材を発信するこだわりはなぜですか。
西田:日本の国内需要だけでは頭打ちになるのが目に見えていて、今まで取り組んでいないことにチャレンジすることが必要だと感じています。
国内でもタイ料理とつながって、新しくタイ料理屋でも食材が活用されるというイメージを持っていないと思っています。国内はもちろん、既存のままでは減少するところを違う発想で積み増しているときに、タイのマーケットを活用することが重要になります。自分もプレーヤーとして、マーケットに入っていくでそれを実感します。テーマとしては、日本の食文化を守るとともにタイの市場も活用することがあります。
■NPO法人としての課題とは
クラウドファンディングの活用やsmartnewsとの提携など広報活動に積極的に取り組んでいるが、従来の賛助会員の獲得には課題が残るという。
——ヤムヤムにおけるファンドレイジングについて教えて下さい。
西田:ヤムヤムでは、賛助会員の年会費なども設定していますが、イベントを入り口としてヤムヤムを知る人が多いため、賛助会員自体のイメージがあまりマッチングしていないのが現状だと思います。クラウドファンディングを活用しているとプロジェクト支援のイメージが強くなってしまいます。
だからこそ「タイ料理でやっています」っていうバランスを変えていかないといけないかなぁと思っています。フードイベント重視から団体事業の整理をしていくイメージです。
HPもイベント紹介の要素が強いですよね?それを、それぞれのセクターに対してわかりやすい情報発信をしていきたいと考えています。今回の飾り巻き寿司のイベントも重なるので、どうしても混沌としてくるところは出てくるので整理をして、よりわかりやすく情報発信をしていく話が現在進行中です。そこを変えてくるとNPO法人のような賛助会員という仕組みを生かせるようになると思っています。
■「タイ料理の持つ可能性を活かしたい」
西田さんは、ヤムヤム運営当初からのビジョンとして、小学校での給食に地元の食材を使用したオリジナルタイ料理を導入したいと話す。日本食離れが叫ばれる今だからこそ、新たな試みを通して、地元の食材に興味をもつためのきっかけ作りが必要になる。タイ料理にすることで今まで知ることのなかった新たな食材の一面に出会える。食のプラットフォームを活用して、地方に関心を持ち、本当の意味での生産者の顔が見える六次産業の実現が可能になると感じた。
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